カゲロウのお客さん
私の住む滋賀県はムシ暑い日が続いている。
家にやってくるお客さんといえば、宅急便のお兄さんか、ソフトバンクairへの変更を勧めるお兄さんが定期的にやってくるくらいだが、今日は昆虫のお客が来た。
それがこの方。
所謂、カゲロウの仲間である。
カゲロウといえば、その名前からも推測できるように、非常に短命なことで知られる生き物である。
まあ、短命といっても、成虫になってからの寿命が、といった方が良さそうだ。
幼虫時代を水中で生活するカゲロウは、何度も脱皮を繰り返したのち、成虫になる。その時比較的綺麗な水の河川を好むらしい。
そのため、河川の環境を調査する際の指標になることもあるとか。
あまり人間の生活においてカゲロウと関わることはないが、カゲロウは3億年前の化石からも発見されているほど、大昔からそれほど姿を変えずに生活をしてきたようだ。
当時のカゲロウも、成虫の期間が極めて短く、繁殖という観点で珍しい形態をとっていたのか分からないが、おそらくそれはカゲロウの次世代に遺伝子を伝え、種を存続するという面から、理にかなった生き方なのだろう。
その一方、3億年前といえば、当然人間は存在などしているはずもなく、哺乳類さえ誕生していないだろう。
この3億年という途方もない時間の中で、全く姿を変えていないカゲロウの横で、大きく姿を変貌した人間がいる。
それは、よく考えれば全く普通のことのようで、実は果てしなく神秘的なことだろう。