アマミノクロウサギを求めて奄美大島へ ナイトツアーについて
アマミノクロウサギとは
アマミノクロウサギとは、環境省レッドリストに指定されている数の少ないウサギで、体全体は黒に近い茶色のような色をしており、体長はそれほど大きくない。
また、何万年も前から姿をほとんど変えずに奄美大島と徳之島に住み続けており、生きた化石とも呼ばれている。
ウサギを求めて島へ
今回、僕が奄美大島へやってきた理由は、他でもないこの小さなウサギを見るためである。
ただ、奄美大島に関する事前情報はほとんどなく、闇雲にアマミノクロウサギを探しても見つからないだろうから、現地のナイトツアーに参加することにした。
価格にして3時間で7000円。
なかなかの値段。
この3時間でウサギを発見できなかったら、奄美大島へ来た意味などほとんどない。
ツアーの出発前に全力で神頼みした。
神頼みといっても、奄美大島には神社や寺のような建物はほとんど見当たらず、教会を目にすることが多かった。
おそらくキリスト教信者が多いのだろう。
キリストさま、どうか僕をウサギに合わせて下さい。
ツアーの集合場所は近くの道の駅の駐車場。
開始時間が19時になっていたので、18時45分くらいに到着するも、あたりは真っ暗。
人の気配もせず、レンタカーの中でゴロゴロしていると、大きめの車のエンジン音が。
見ると古いジープがやってきた。
車にあまり詳しくないので分からないが、見たことのないジープである。
そのジープはまるで戦場の車のようで、後ろは大人が4人ほど座れる空間があり、もちろんオープンだった。
しかし今日はツアー参加者は僕だけの様子。
夜道をジープで探検する、それも奄美大島の日本本土では見たこともないような木々が鬱蒼と生い茂る密林。
それだけで気持ちは大変高揚した。
すぐにウサギを発見
ツアーが始まると5分ほどで道をそれて、山道になる。山道に入って10分ほどでアマミノクロウサギは現れた。
こんなに簡単に見ることができるとは。
この後も何度もウサギと遭遇したほか、アマミイシカワガエルという、日本一美しいというカエルとも出会った。
これを日本一美しいと感じるかどうかは人それぞれだろう?ツアーの日は寒かったため、土管のようなところに入ってしまっていた。
そういえばツアーの日、奄美大島は夜非常に寒く、ガイドさんの話によれば気温が一桁になるかもしれないとのことだった。
これから先のシーズンはまあ大丈夫だろうが、念のため上着を持っていった方がいいだろう。
ツアーは途中から林道に入る。
なるほど、このジープでないととても進めないような道が続く。
空を見上げると、見たこともないような星が一面に広がっており、星が多すぎてオリオン座を見つけることができないほどだった。
帰り際にもアマミノクロウサギ。後ろ姿が可愛すぎる。
特徴的なことは、アマミノクロウサギたちは車が近くに行ってもそれほど逃げることがないことだ。
これは奄美大島の生き物において、結構当てはまることなんだとか。
ツアー代のもとは取れたか
ナイトツアーの参加費は約3時間のツアーで7000円と少し高めの印象を受けた。
しかしながら、進んでいくコースが想像していた以上に山道で、林道に入る手前の旧国道でさえ崩落しそうな場所が多くあった。
また、アマミノクロウサギやその他動物に会えることを考えると、この値段は妥当かと。
今回のツアーでは、アマミノクロウサギ、アマミイシカワガエル、ケナガネズミの3種を見ることができた。
これからの季節はどんどん暖かくなり、6月ごろから9月ごろにかけてはホタルが見えるんだとか。
今年の夏も奄美大島へ行こうと思う。
お世話になりました。